修繕費をいつ、いくら計上できるのか

今月が決算月のお客様から「倉庫の修繕工事をしているのですが、今月中に工事が終わるか微妙です。できれば当期に計上したいのですが、できますか?」という質問を受けました。
修繕費を当期に計上できるのか、確認するポイントは2つあります。工事が完了したときと、工事の内容です。

目次

いつ計上できるのか

修繕工事をしたとき、計上できるのは、完了したときです。

お金をいつ支払ったかではありません。
大きな工事になると、着手のとき、中間、完了したとき、など何回かに分けて支払ったりします。
着手金や、中間金を支払っているので、支払った金額は修繕費として計上できますか?という質問を受けることもあります。
工事が完了していないと、支払った金額は修繕費として計上することはできません。

一方、大きな工事になると、いくつかの工事をあわせて行っていることがあります。
屋根の補修、壁の塗装、内装工事など、複数の工事を順番に行っていく工事です。

それぞれの工事の内容と金額が分かれていれば、それぞれの工事が完了したときに計上することができます。
屋根の補修、壁の塗装は、当期末までに完了していた、というときは、この2つの工事は、当期に計上することができます。

工事業者には、それぞれの工事ごとの納品書、請求書を作成してもらいましょう。

修繕費になるもの、ならないもの

工事は、工事内容によって、修繕費になるものと、ならないものに分かれます。

大きな工事になると、それが修繕費なのか、新しい固定資産の取得(税務では資本的支出といいます)なのか、は判断が難しくなります。

税務調査が入ったときは、必ずといっていいほど、これって修繕費ですか?と聞かれます。

原状維持、原状回復の工事なら、修繕費
用途変更、改装・改築、付加機能の追加、性能アップの工事なら、新しい固定資産の取得
とされます。

一つの工事を、修繕費と、固定資産の取得に分けることもあります。
例えば、内装工事は、壁紙の張替えと給湯設備の追加だったという場合。
壁紙の張替え部分は修繕費、給湯設備の追加は、固定資産の取得として計上するという具合です。

まとめ

当期中に工事が完了していて、修繕費となる工事だったら、当期の修繕費として計上。
当期中に工事が完了していて、新しい固定資産の取得になる工事だったら、固定資産として計上し、減価償却費を計上します。

当期中に工事が完了していない場合は、当期中に支払った金額は「建設仮勘定」という仮勘定になります。

【あとがき】
相続税の申告のため、戸籍を複数の市区町村に郵送で請求しています。領収書が民間の会社名で発行されているので、戸籍の交付事務は民間会社が受託して行っていることに気づきます。あれ、こんな会社が受託しているんだ、と驚くこともあります。

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