音楽家の確定申告、青色申告の簡易なものから始めてみる

以前通っていた音楽教室のピアノ講師の方が、私が税理士であることを知るとこんな言葉をもらしました。
「青色申告って難しいんでしょ?」
「簡単です!」とは言いきれませんが、青色申告の簡易なものから始めてみてみてはいかがでしょうか。

目次

青色申告には2つある

「青色申告は難しい」というのは、おそらく、難度が高めなものをイメージしているのではないでしょうか。
青色申告は、「簡易なもの」と、「難度が高めなもの」の2つがあります。

「難度が高めのもの」は、会計ソフトが必要で、簿記の知識も多少必要です。
最近のクラウド会計ソフトは、簿記の知識がない人も始めやすくなっています。
ただ、簿記がまったく分からないでできるかというと、正直厳しいかなと思います。
簿記○級の資格は必要ありませんが、初歩の知識はあった方がいいです。

「簡易なもの」は、収入と経費を記録して帳簿をつけます。
帳簿をつけるというと、ハードルが高く感じるかもしれません。
簡易なものは、家計簿のイメージです。
エクセルなどの表計算ソフトへ入力するのでも大丈夫です。

今まで白色申告していたなら、収入と経費は集計していたと思います。
実際、青色申告の「簡易なもの」と、白色申告の難度の違いは、ほぼありません。
難度の違いがないので、特典がある青色申告の方がおすすめです。

まずは、青色申告の簡易なものから始めてみてはいかがでしょうか。

青色申告の特典

青色申告にすると、次のような特典があります。

10万円を利益から引ける

「簡易なもの」だと、利益から最大10万円引くことができます。(青色申告特別控除)
利益を少なくするので、税金が少なくなります。
「難度が高めのもの」だと、最大引くことができる金額は55万円です。(電子申告をすると65万円)
白色申告では、この特典はありません。

30万円未満の固定資産を経費にすることができる

例えば、楽器を買うと固定資産になります。
1つが30万円未満なら、買った年に一度に経費にできます。
白色申告のときは、この特典は使えません。

赤字になったとき、3年間繰り越せる

例えば、今年赤字が100万で、次の年が黒字200万のとき
次の年の確定申告で、黒字200万から100万を引くことができます。
次の年の税金が少なくなります。
白色申告では、この特典は使えません。

青色申告にするなら税務署へ申請書を出す

今年から青色申告を始めてみようと思っても、3月15日を過ぎていると今年分の確定申告は青色にはできません。
青色申告をするには、「青色申告承認申請書」を、3月15日までに、税務署へ出す必要があります。
(今年から事業を始めたなら、事業を始めた日から2か月以内に出せば青色申告にできます)

来年分から青色申告にするなら、今年分の確定申告をするときに、税務署へ「青色申告承認申請書」を出しましょう。
青色申告にしたいけど、やり方が分からないときは、一度、税務署や税理士にやり方を教えてもらうというのも一案です。

【あとがき】
歩いていたら、金木犀の香りがしてきました。金木犀の香りをかぐと、落ち着きます。

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