相続があったとき固定資産税は誰の経費?

亡くなった方に事業所得や不動産所得があった場合、亡くなった方の必要経費となる固定資産税については、少し注意が必要です。

目次

納税通知が相続開始日より前か後か

固定資産税の納税通知が、相続開始(亡くなった日)より前か後かで、亡くなった方の必要経費になるのか、ならないのかが、決まります。

納税通知は、市町村によって多少違いがありますが、4月〜6月頃です。

1. 相続開始より前に、納税通知があった場合
亡くなった方の必要経費にする金額は、以下の3つから選択することができます。
①全額
②納付期限が、相続開始時点で到来している金額
③相続開始より前に納税した金額

<例>
相続開始日 :7月10日
納税通知 :6月1日
納付期限と期別税額:第1期 6月30日 10万、 第2期 9月30日 10万、第3期 12月27日 10万、 第4期 2月28日 10万

相続開始日より前に、納税通知がありますので、①40万 ②10万 ③相続開始前に納税した金額 のいずれかを、亡くなった方の必要経費にすることができます。

2. 相続開始より後に、納税通知があった場合
亡くなった方の必要経費にすることはできません。

上記の例ですと、相続開始日が5月31日以前の場合、亡くなった方の必要経費に入れることができません。

被相続人の経費にならなかったものは事業を引き継いだ相続人の経費

亡くなった方の必要経費にしなかったもの、または必要経費にできなかった固定資産税は、事業所得や不動産所得を引き継いだ相続人の必要経費にすることができます。

1. 相続開始日より前に納税通知があった場合
亡くなった方の必要経費にしなかった金額

2. 相続開始より後に、納税通知があった場合
全額

を、引き継いだ相続人の必要経費にすることができます。

相続税の債務になるのは相続開始日後に相続人が払ったもの

今までは所得税の話でした。もし、亡くなった方に相続税がかかる場合、相続税の債務になるかならないかは、どのように判断するのでしょうか?

相続税の債務になるのは、相続開始日後に、相続人が払った固定資産税です。
また、所得税で必要経費になる固定資産税だけでなく、自宅の固定資産税も、相続開始より後に相続人が払ったものは、相続税の債務になります。

【あとがき】
今日は2月決算の法人の決算作業。売掛金、買掛金をデータで頂くことができるので、助かります。

よかったらシェアしてね!

相続、贈与、遺言についてご相談ください

お一人でも、ご家族とご一緒でもご相談できます

目次