決算月は、いろいろやることがあります。
その中で忘れていけないのは、来期の消費税の課税方法の確認です。
消費税の課税方法とは
消費税の課税方法とは、下記の3つです。
①免税事業者
前期の課税売上が1,000万円以下なので、来期の課税売上に対して消費税を納税しなくてもいい。
課税売上とは、消費税がかかる売上です。
②課税事業者で、原則課税か簡易課税かを選択できる
前期の課税売上が1,000万円を超えているので、来期の課税売上に対して消費税を納税しなくてはいけない。前期の課税売上が5,000万円以下なので、原則課税または簡易課税の有利な方を選ぶことができる。
原則課税とは、預かった消費税から、支払った消費税を引いた差額の消費税を納税する方法、
簡易課税とは、預かった消費税の10%〜60%を納税する方法です。(10%〜60%は売上の種類によって決まります)
③課税事業者で原則課税をとるしかない
前期の課税売上が5,000万円を超えているので、来期の課税売上に対して消費税を納税する必要がある。原則課税という方法しかとれない。
前期の課税売上が5,000万円以下の場合は、検討が必要
まず、自社が①、②、③のどれに該当するか確認しましょう。
③なら、課税事業者で原則課税をとるしかないので、来期の消費税に関してやることはありません。
検討が必要なのは、①、②に該当する場合です。
①の場合
免税事業者なので、消費税は納税する必要がありません。
でも、来期に、多額の設備投資や大規模修繕など、大きな支払いを予定している場合は、あえて課税事業者を選択した方がいい場合があります。
多額の支払いがあるので、預かった消費税より払った消費税が多くなり、消費税の還付を受けられる場合があるからです。
②の場合
原則課税か、簡易課税かを選択できるので、どちらの方法をとると、消費税の納税額が少なくなるか、検討する必要があります。
多額の設備投資や大規模修繕など、大きな支払いを予定しているか、また、どのような支払いが多いのか(消費税がかかる支払いなのか、かからない支払いなのか)によって、原則課税と簡易課税の、納税額が少なくなる方を選択します。
届出書の提出期限は、決算月の末日
免税事業者の人が、あえて課税事業者を選択する場合は、「課税事業者選択届出書」という届出書を、決算月の末日までに、税務署へ提出する必要があります。
簡易課税の方が消費税の納税額が少なくなるので、簡易課税を選択する場合は「簡易課税制度選択届出書」とういう届出書を、決算月の末日までに、税務署へ提出する必要があります。
消費税の届出書は、期が始まる前日までに提出しなければいけないので、決算月には来期の予定をみて、消費税の課税方法をどうするか判断する必要があります。
届出書を出してなかったので、消費税の還付を受けられなかった、届出書を出していれば消費税の納税額を減らせたのに、ということがないように、決算月は来期の消費税の確認を忘れずに行いましょう。
【あとがき】
確定申告の仕事が一段落しました。溜まっていた書類も整理し、机周りがすっきりです。