個人事業者が事業用固定資産を売却したときの消費税

個人事業者が事業で使用している固定資産を売却したときは、消費税がかかります。
課税事業者の方が消費税を計算する上で、意外と抜けやすいので注意が必要です。

目次

所得は別々に計算するけど、消費税は合わせて計算

個人の場合は、所得の内容や発生原因によって、10種類の所得に分けて、所得税を計算します。

事業所得がある方が、事業で使用している車を売却したときは、事業所得ではなく、譲渡所得という区分で計算します。
不動産所得がある方が、賃貸用不動産を売却したときは、不動産所得ではなく、譲渡所得という区分で計算します。

会計ソフトで帳簿をつけている場合、売却収入が普通預金の口座に入金されたら、どのように仕訳を入力すればいいのでしょうか?
普通預金の相手科目は、事業主借です。

例えば、賃貸アパートを1,000万で売却して売却収入が入金されたら、

普通預金 10,000,000 / 事業主借 10,000,000

とういう仕訳を入力します。

事業主借を使うということは、事業所得(または不動産所得)に関係ない収入になり、事業所得(または不動産所得)の計算から除きます。
そして、事業用固定資産の売却損益は、譲渡所得の区分の中で計算します。

所得税の計算では所得ごとに分けて計算しますが、消費税の計算は、消費税がかかる収入を各所得から持ってきて合算します。
事業所得の中で消費税がかかる収入はいくら、不動産所得の中で消費税がかかる収入はいくら、譲渡所得の中で消費税がかかる収入はいくら、とういう具合です。

事業用の固定資産の売却収入は、消費税がかかる取引になります。
居住用の賃貸アパートは、賃貸収入は消費税がかかりませんが、賃貸アパートの建物の売却は、消費税がかかる取引です。
賃貸アパートの敷地部分の売却収入は消費税がかかりません。

事業所兼自宅を売却した場合は?

事務所兼自宅を売却した場合は、事務所部分の売却収入は消費税がかかる収入になります。

ですので、売却収入を、事務所部分と自宅分に分ける必要があります。実務的には、事業供用割合などで按分し、事務所部分の売却収入を消費税の計算に含めます。

自宅部分の売却収入は、消費税がかからない収入になります。

2年後に課税事業者になる場合も

事業に使用している固定資産を売却したときは消費税の免税事業者でも、そのときの売却収入のため、2年後に消費税の課税事業者になる場合もあります。
特に、賃貸用建物を売却したときは、売却収入が大きくなります。
売却収入と他の所得の消費税のかかる収入を合算して、1,000万円を超えれば、消費税の課税事業者になります。

【あとがき】
今週は、先週よりさらに、街に人が少なくなった気がします。お昼にランチしたお店も、いつもは並ぶのに、今日は空いていました。

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