事業用のお金からいくら引き出していいのか、個人事業主の場合

個人事業主の方からご相談を受けると、「事業用の口座からいくら引き出していいですか?」ときかれることが多いです。
いくら引き出せばいいのか決まりはありませんが、考え方をご紹介します。

目次

きっちりしている人ほど引き出せない?

お話しを伺っていると、「いくら引き出せばいいのか分からなくて、そのままにしてあります」という方もいらっしゃいます。事業用とプライベート用をきっちり分けて管理している方ほど、そんなご質問を受けることが多い印象です。

個人事業主は自分への給料の支払いはない

個人事業主は、自分への給料の支払いはありません。

個人事業主として事業を始める前に会社で働いていた方が多いので、なかなか自分の給料がないというのがしっくりこない方もいるでしょう。
決められた自分への給料というものがないので、いくら引き出していいのか分からない、ということになるのかもしれません。

税金的には、自分への給料分としていくら引き出しても、引き出した金額は経費にはならず、税金は変わりません。
会計ソフトには、プライベート用として事業用の口座からお金を引き出したときは、次のような仕訳をいれます。
クラウドソフトでは、「プライベートの引き出し」を選択すると、自動的に次のような仕訳にしてくれるものが多いです。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
事業主貸〇〇円普通預金〇〇円

引き出し日と金額を決めておくことをおすすめします

いつ、いくら引き出すかは自分で決められます。
引き出し日、金額を決めなくてはいけないということもありませんが、経理のしやすさから考えると、定期的に引き出す日と金額を決めておくことをおすすめしています。
例えば、毎月、◯日に○万円という形です。

プライベートで必要な日に、事業用の口座から必要な金額のみ引き出す方もいらっしゃるでしょう。
それでもいいですが、しばらく時間が経つと、それが事業に必要な支払いだったのか、プライベートの支払いなのか、分からなくなることも多いです。

最初に決めた定期的な引き出し日と金額を変えたい時は、いつから変えても構いません。
最初に決めた引き出し日と金額だとやりにくい場合は、変えてみましょう。

定期的にプライベート用として引き出す金額はいくらでもいいですが、事業用の支払いができる金額は残しておきます。
事業用の口座に支払いができる残高がなくなると、結局はプライベート用の口座からお金を移すことになります。
引き出したけど、まだ入れるということになってしまいますので。

自分で日付と金額を決めることは最初は不安かもしれませんが、自分で決められるのは個人事業主のいいところです。

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