不動産所得と事業所得があるときの青色申告特別控除額

65万円または10万円、課税される金額を減らすことができる青色申告特別控除をご存知の方は多いと思います。
不動産所得と事業所得があるときは、控除額はどうなるのか、ご紹介します。

目次

青色申告特別控除が使える所得と金額

青色申告特別控除が使える所得は、不動産所得、事業所得、山林所得です。
控除額は、最大65万円または10万円ですが、65万円を使うためには条件があります。

不動産所得と事業所得の組み合わせで、使える金額をみてみましょう。

(1) 不動産所得のみの場合
A .事業的規模であること
B.複式簿記で帳簿を記帳している(会計ソフトを使って、経理している)
C.確定申告書に、青色申告決算書(4ページ目の貸借対照表まで)を記載して添付している
D.電子申告をする(2020年分から)
⇒65万円

*事業的規模とは、それだけで生活できる、というイメージです。
社会通念上事業といえるか実質で判断、ということですが、形式的に、一軒家の貸付なら5棟以上か、アパート・マンションの部屋の貸付なら10室以上か、で判断することが多いです。

(2)不動産所得のみの場合
(1)のA.を満たしていない場合
⇒10万円

(3)事業所得のみの場合
B.複式簿記で帳簿を記帳している(会計ソフトを使って、経理している)
C.確定申告書に、青色申告決算書(4ページ目の貸借対照表まで)を記載して添付している
D.電子申告をする(2020年分から)
⇒65万円

(4)不動産所得と事業所得がある場合
B.複式簿記で帳簿を記帳している(会計ソフトを使って、経理している)
C.確定申告書に、青色申告決算書(4ページ目の貸借対照表まで)を記載して添付している
D.電子申告をする(2020年分から)
⇒65万円

不動産所得が事業的規模でなくても65万円控除ができます

不動産所得のみの場合は、事業的規模でないと、複式簿記で帳簿を記載していても10万円しか使えません。
一方,不動産所得と事業所得がある場合は、不動産所得が事業的規模でなくても、B、C、Dを満たせば65万円が使えます。上記の(4)のパターンです。

ちなみに、控除額は、不動産所得と事業所得を足した金額と、65万を比べて、どちらか少ない金額になります。

不動産所得20万円、事業所得30万の場合は、20万円+30万 < 65万なので、 控除額は50万です。
控除する順序は、不動産所得⇒事業所得になります。
まず、不動産所得から20万円を控除して、次に事業所得から30万を控除します。

不動産所得40万、事業所得80万の場合はどうでしょうか?
この場合は、控除できる金額は、40万円+80万 > 65万 なので、控除額は65万円になります。
不動産所得から40万を控除し、次に事業所得から25万円を控除します。

2020年分からは65万円控除するための条件が増えています

2020年分の申告から、65万円の控除額をとるためには、
上記、「 e-Tax による申告(電子申告)」または、「電子帳簿保存」が必要になりました。

e-Taxによる申告の方がハードルが低いので、e-Taxの申告をしてみましょう。

【あとがき】
夕食に、近所の馴染みのイタリアンのお店へ行きました。
新型コロナウィルスの影響で、お客さんがいないのでは?と心配でしたが、二人連れの客でテーブルがほぼ埋まっていました。ここのお店はパスタとワインが美味しく、今日も大満足です。

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