公正証書遺言をつくる流れを紹介

公正証書遺言は、遺言者が話した内容を公証人が文書にまとめて作成する、と説明されます。
実際、どのような流れで作成するのか、イメージがつきにくいかもしれません。公正証書遺言の作成に税理士が関わったケースをご紹介します。

目次

財産の洗い出し、誰に何を相続させたいかを決める

遺言書を作成しようと考えたとき、まず行うのは、財産を洗い出すことです。
財産の主なものは、預金、株式・投資信託・国債などの有価証券、土地、家屋になります。

  • 預金でしたら銀行名、支店名、金額
  • 株式、投資信託、国債でしたら、証券会社名、支店名、銘柄、金額
  • 土地、家屋でしたら、所在地、金額

を書き出します。

株式、投資信託、国債などの金額は、証券会社から送られてくる「取引残高報告書」に記載があります。
土地、家屋の金額は、市区町村から送付される「固定資産税課税明細書」の評価額になります。

借入金などのマイナスの財産があれば、相手先の名称、住所、金額も書き出します。

財産が把握できたら、その財産をどなたに相続させるのかを考えます。
それぞれの財産を相続させる人が決まったら、何を、誰に相続させるのかを、書き出します。
これが遺言書案になります。

公証役場に遺言書案を送る

遺言書案ができたら、公証役場に連絡します。
インターネットで「公証役場」を検索して、行きやすい公証役場を選びましょう。

電話またはメールで、公正証書遺言を作成したい、と連絡します。
税理士として、お客様の遺言書作成をお手伝いした際、公証役場に連絡したときは、一般の方か、士業(税理士、司法書士など)なのかを聞かれました。

連絡しているのが税理士だと分かると、遺言書案と必要書類をメールで送ってください、と言われました。一般の方が連絡すると、違う対応になるかと思います。

遺言書案と必要書類をメールで送るのと同時に、公証役場で遺言書を作成する日の予約をとりました。公正証書遺言を作成するためには、遺言者ご本人(遺言書を作成する人)と証人2名が、公証役場に行く必要があります。
公証人の予約が混み合っていると、かなり先の日時になってしまうこともあります。
遺言者ご本人、公証人、証人2名の予定を合わせる必要がありますので、公証役場に行く日時を先に決めておくことをおすすめします。

公証役場に遺言書案を送ると、公証人が案文を作成し、送ってくれます。こちらが作成した案だと分かりくい点などが修正されます。

公証人が作成した案文が、遺言者ご本人の希望に沿ったものになっているかどうか、もれがないか、誤字脱字がないか、を確認します。疑問点などがあれば、公証人に確認します。

これでよいという遺言書の案文になったら、公証人へ伝えます。

公証役場に行く

公正証書遺言の作成は、公証役場で行います。

作成当日の流れは、以下のようになります。

  1. 予約をとった日時に、遺言者ご本人、証人2名が、公証役場に行きます。
  2. 公証人が、遺言者の本人確認を行った後、遺言書を読み上げます。
  3. 読み上げた内容で誤りがないか確認し、よければ、遺言者ご本人、公証人、証人2名が、署名、押印します。
  4. 署名、押印が終わったら、公正証書遺言の正本を渡されます。

公正証書遺言の原本は、公証役場に保存されます。

作成当日は、30分くらいで終わりました。

【あとがき】
今日の午後は、遺贈寄付のオンラインイベントに参加しました。難病の子どもを支援する団体へ遺贈するという遺言書を作成された方のお話をきくことができた、貴重な機会でした。

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