自宅マンションを賃貸に出したとき、減価償却費を経費に入れます。
新築で購入したマンションを、賃貸に出したときの減価償却費の計算方法を紹介します。
取得価額を把握する
まず、減価償却費を計算するにあたり、取得価額を把握する必要があります。
マンションを購入したときの売買契約書で確認しましょう。
「建物価格」というところに記載されている金額が取得価額です。
オーダーメイド代金があれば、建物価格+オーダーメイド代金が、取得価額になります。
減価償却費の計算方法
減価償却費の計算は、取得価額×償却率×月数/12 です。償却率はマンションの場合は、0.022(耐用年数47年、定額法)になります。
月数は、賃貸を始めた月から12月までの月数です。
4月1日から貸し始めたら、4月1日から12月31日までの9ヶ月になります。
月数は、1ヶ月未満は切り上げですので、4月30日から貸し始めても9ヶ月になります。
【計算例】
建物価格:2,000万、4月1日から貸し始めた
20,000,000円 × 0.022 × 9/12 =330,000円
1円未満の金額があるときは、切り上げになります。
未償却残高の計算
減価償却費の計算は、取得価額が分かればすんなりです。
少し複雑になるのが、未償却残高の計算です。
未償却残高とは、取得価額から減価償却費を引いた残高、のことを言います。
減価償却費がでれば、所得税の計算ができますが、未償却残高も計算しておく必要があります。
なぜなら、確定申告書に「未償却残高」の記載が必要なこと、
また、未償却残高は、減価償却をしていくと減っていきますが、将来このマンションを売却したとき、建物の取得費として使用します。
未償却残高は、2段階に分けて計算します。
①賃貸に出した日の未償却残高
②賃貸に出した年の12月31日の未償却残高
①賃貸に出した日の未償却残高の計算は、以下のようになります。
まず、自宅として使用していたときの減価償却費を計算します。
計算式は、マンションの取得価額 × 0.9 × 0.015 × 自宅として使用していた年数
0.9をかけるのは、旧定額法を使うからです。未償却残高を計算するときは、取得時期にかかわらず旧定額法になります。
0.015は、耐用年数70年の旧定額方の償却率です。(耐用年数47年×1.5年=70年)
自宅として使用していた年数は、次のように計算します。
例えば、マンションを2015年9月17日に購入して、2019年3月31日まで自宅としていたときは、
⇒3年と6ヶ月14日
⇒6月以上は1年とするので、4年になります。(6月未満のときは切り捨て)
マンションの建物の取得価額が2,000万のときは、
20,000,000円 × 0.9 × 0.015 × 4年 = 1,080,000円
ここまで計算できたら、建物の取得価額から、上記1,080,000円を引けば、賃貸に出した日の未償却残高が分かります。
20,000,000円 - 1,080,000円 = 18,920,000円
②賃貸に出した年の12月31日の未償却残高は、以下になります。
①で出した未償却残高から、賃貸に出した年の減価償却費(330,000円)を引いた金額18,920,000円 - 330,000円 =18,590,000円
【あとがき】
昨日と時間をずらして時差通勤してみました。行きは空いていましたが、帰りは混んでいる時間でした。つり革につかまらないように電車に乗るのは、かなり大変です。