親を扶養に入れている方もいらっしゃるかと思います。
年金だけでは生活が難しい場合や、医療費の負担が増えている場合など、少しでも支えたいという思いから扶養に入れるケースがあるでしょう。
ただし、その際に注意が必要なので、「二重扶養(にじゅうふよう)」です。
親を扶養している場合に気をつけていただきたい点についてご紹介します。
扶養控除の基本
「扶養控除」とは、ご家族の生活を支えている方の所得税や住民税の負担を軽くするための制度です。
親族のうち、一定の所得以下の方を扶養している場合には、その方を扶養している人の所得から一定の金額を差し引くこと(=所得控除)ができます。
控除を受けられるかどうかは、扶養される側(親など)の所得によって決まります。
また、親を扶養する場合には、親の年齢や同居しているかどうかによって控除額が変わります。
一方で、扶養する側(子どもなど)の所得には制限はありません。
扶養される方(親など)の所得が基準を超えてしまうと、控除は受けられなくなります。
「二重扶養」とは?
「二重扶養」とは、同じ人を複数の人が同時に扶養控除の対象として申告してしまうことをいいます。
たとえば、一人のお母様に対して、別々に暮らすお兄様と妹様がそれぞれ「母を扶養に入れた」として申告すると、結果的に二重扶養の状態になります。
このような場合、控除を受けられるのはどちらか一方のみです。
親を扶養に入れるときの注意点
実際のところ、親の生活を複数の子どもが支えているというケースは少なくありません。
そのため、どちらも仕送りをしているのに、結果的に「二重扶養」となってしまうことがあります。
このような場合には、後日税務署から修正の依頼が入ることもあり、再計算や返金が必要になることがあります。
思わぬ手間を防ぐためにも、事前に家族間で「誰が扶養控除を受けるか」を話し合って決めておきましょう。