遺言書をつくった方がいいケースは、いくつかあります。
その中の一つは、配偶者・子供がいないケースです。
最近連続して、亡くなった方に配偶者と子供がいないケースの相続税の申告が、お二人ありました。
幸い、お二人とも、遺言書を作成していました。遺言書がなかったら、相続人の方は、かなり大変なことになっていた相続でした。
配偶者・子どもがいないとき、遺言書を作成することをおすすめします。
配偶者、子供がいないと、相続人は兄弟または甥・姪になることが多い
相続人(亡くなった人の遺産を相続する人)は、下記のようになっています。
第1順位 | 配偶者 | 子ども |
第2順位 | 配偶者 | 親 |
第3順位 | 配偶者 | 兄弟姉妹 |
配偶者がいる場合は、常に相続人になり、各順位の相続人と一緒に相続人になります。
第1順位の相続人がいないと、第2順位の人が相続人になり、
第1順位、第2順位の相続人がいないと、第3順位の相続人、になります。
配偶者、子どもがいない場合、第2順位の相続人は親になります。
ただ、親はすでに亡くなくなっている場合が多いです。
すると、第3順位の相続人は、兄弟姉妹になります。
今回のケースでも、相続人は兄弟姉妹になりましたが、兄弟姉妹もすでに亡くなっていたので、
相続人は、甥・姪になりました。
下記のような関係図で、相続人は10人でした。
もう1人の相続は、相続人が9人でした。
配偶者・子どもがいなくて、兄弟姉妹が多いと、相続人は多くなりがちです。
遺言書がないと大変なことに
遺言書がないと大変なことは、遺産分割協議書をつくる必要があることです。
遺言者がないと、相続人全員で、亡くなった方の財産の分け方を決める必要があります。
遺産分割協議といい、遺産分割協議書をつくります。
相続人が10人が一同に集まって決める必要はなく、どなたか1人が決めて、他の9人に同意して頂くのでも構いませんが、大変です。
甥・姪の関係だと、ほとんど知らない、連絡先も分からないというのが多いのではないでしょうか。
そうだと、一人ひとりに、遺産分割の同意をとっていくのは骨が折れます。
それほど財産はないし、遺産分割協議書って必要なの?と思われるかもしれませんが、遺産分割協議書は、財産の名義変更に必要となります。
代表的な財産の名義変更は、銀行の預金口座、株式、投資信託、国債などの有価証券、土地、建物の不動産です。
銀行の預金口座は、ほとんどの方がお持ちだと思います。
銀行や証券会社の口座の名義変更は、遺産分割協議書がなくても可能ですが、その場合は、所定の用紙に相続人全員の署名、押印をする必要があります。複数の口座がある場合は、口座ごとに必要になります。
不動産の名義変更は、遺産分割協議書が必要です。
遺言書があると手続きがすぐに進められる
遺言書があると、財産の名義変更をすぐに行うことができます。
遺言書で、誰が相続するのか決まっているので、他の相続人の同意をとる必要がありません。
また、相続人が兄弟姉妹(または甥や姪)になる場合、遺言書をおすすめするのは、遺留分を気にする必要がないからです。
遺留分とは、法律で決められている、相続人の最低限の相続分(相続財産の取り分)です。
相続人が兄弟姉妹になる場合、遺留分はありません。
そのため、誰か1人の相続人にすべての財産を相続させる遺言書を作っても、トラブルになることはありません。
【あとがき】
この前の日曜日から、話し方教室の受講を再開しました。
私は教室へ行って受講しました。
教室からと、Zoomからの受講生がいるのですが、北海道からの参加の方もいらっしゃいました。
教室のみだと、北海道からの参加の方と一緒に受講することはなかったと思うので、嬉しい変化です。