会社に勤めていたときは、確定申告をしたことがなかった方も多いと思います。
会社員のときは、会社が行う年末調整が、確定申告のかわりでした。
定年退職すると、確定申告をした方がいいとき、しなければいけないときがあります。
確定申告をした方がいいとき
確定申告をした方がいいときは、次のようなときです。税金が戻ったり、翌年以後の税金が少なくなる可能性があります。
- 年の途中で退職して、その後再就職していない
年末調整していないので、税金を多く納めているときがあります。会社員のとき年末調整で受けていた保険料控除も受けていません。確定申告をすると、税金が戻る可能性があります。
- 退職金を受け取ったとき「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない
提出していないと退職所得控除の適用がされないため、税金を多く引かれています。
「退職所得の源泉徴収票」の退職所得控除額に金額の記載がないときです。
確定申告をすることで、多く引かれた税金が戻ります。
- 上場株式や投資信託を売って売却損が出た
確定申告をすると、売却損を翌年以降3年間繰り越すことができます。翌年以降に売却益が出たとき、繰り越した売却損と相殺することができます。
- いくつかの金融機関に特定口座を持っていて、売却益が出た特定口座と、売却損が出た特定口座がある
確定申告をすると、売却益と売却損を相殺することができます。
- 災害や盗難などで、財産に損害を受けた
- 10万円を超える医療費を支払った
- ふるさと納税をした
- 認定NPO法人、公益法人、学校法人へ寄付をした
確定申告をする必要があるとき
確定申告をする必要があるのは、次のようなときです。
- 年金収入が400万円を超える
- 年金以外に、給与や不動産所得が年20万円を超える
給与収入が年75万円を超えるとき、不動産所得は、賃貸収入から経費を引いた金額が20万円を超えたときです。定年退職後、失業保険をもらうこともあります。失業保険は給与収入にはならず、税金はかかりません。
- 満期保険金または解約返戻金をもらった
満期保険金または解約返戻金から、払込保険料の総額を引いた金額が90万円を超えていると確定申告が必要です。
- 定年退職後、事業を始めた
事業を始めたら確定申告が必要です。最初の年は損失のときもあるかもしれません。青色申告で確定申告をすれば、翌年以降に損失を繰り越すことができます。
【あとがき】
相続のフリーマガジンSOZOKUのvol.2の原稿を書き始めています。vol.2は、2021年12月末に出す予定です。